グラフィックボード(GPU)の交換が難しいノートPCでも、外付けGPU BOXもしくはeGPUと呼ばれるアイテムで、手軽にグラフィックボードの交換・増設を行えます。
これにより、1台のノートPCで身軽なビジネス用とパワーあるゲーミング用を使い分けたり、ノートPCでも最新のGPUにアップグレードすることが可能。
この記事では、そんな外付けGPU BOXの中でも、特におすすめの製品を紹介します。
外付けGPU BOX(eGPU)とは
外付けGPU BOXとは、PCのグラフィックス性能を高める、グラフィックボードを外付けできる拡張ボックスのこと。
ThunderBolt 3~4ケーブル等を使用し、対応したノートPCであれば、強力なグラフィックボードと接続することも可能です。
外付けGPU BOX(eGPU)のメリット
外付けGPU BOXいちばんの魅力は、グラフィックボードの交換が難しいノートPCでも、簡単な動作でグラフィックボードの交換や増設を行えるところにあります。
ThunderBoltなどのケーブル1本で接続するため、出かけるときはサッと取り外して持ち運び、自宅や事務所ではスッと接続してすぐに作業が可能。
これにより、携帯しやすい身軽さと、ゲームや動画編集向けのパワフルさを兼ね備えたフレキシブルなPCが誕生するのです。
さらに、発熱しやすいグラフィックボードをPCの外に設置するので、熱対策としても効果的。
冷却ファンの騒音を軽減でき、グラフィックボードが不要の時は消費電力も抑えやすくなります。
外付けGPU BOX(eGPU)のデメリット
外付けGPU BOXの価格は、本体のみでも約3~5万円台です。これに加えてグラフィックボードを購入しなければならないのでコストがかかります。
また大型のグラフィックボードを取り付けできるモデルは便利ですが、その分GPU BOXのサイズも大きくなるので、結構な設置スペースが求められることも。
さらに、ThunderBolt 3などの接続用端子、GPU BOXに対応したPCが必要です。
おすすめの外付けGPU BOX(eGPU)
ここまでの説明を踏まえて、おすすめの外付けGPU BOXを紹介していきます。
Razer Core X
入出力 | Thunderbolt 3 |
内部電源 | 650W |
サイズ | 168mm×374mm×232mm |
重量 | 6.46kg |
対応OS | Windows 10 64ビット以降、mac |
ゲーミングデバイスメーカーとして有名な「Razer」から登場のGPU BOXです。
価格が3万円台と比較的お手頃で、内蔵電源は650W、Thunderbolt 3で接続。
Thunderbolt 3経由での電力供給は、最大100Wであり、フルサイズ型のグラフィックボードも搭載可能です。
AKiTiO Node Titan
入出力 | Thunderbolt 3 |
内部電源 | 650W |
サイズ | 357mm×135mm×266mm |
重量 | 3.5kg |
対応OS | Windows 10 64bit macOS 10.13以上 |
650Wの電源を備え、持ち運びに便利な取っ手付き。
本体底面には2つの放熱用大型ファン、側面および電源ユニットにはメッシュ構造の放熱用開口部を装備し、冷却性能を高めています。
また、Thunderbolt 3ケーブルによる給電が可能。対応したPCであれば、最大85Wまで電力を供給できます。
SPARKLE TBX-750FA V2
入出力 | Thunderbolt 3、USB 3.1 Gen1 Type-A×2 ギガビットイーサーネット |
内部電源 | 750W |
サイズ | 403mm×200mm×237mm |
重量 | 6.164kg |
対応OS | Windows 10以降 macOS 10.13.4(High Sierra)以降 |
750Wの電源ユニットを備えたGPUボックスです。グラフィックボードは、最大寸法が346×170×77mm、消費電力が最大500Wまでの製品に対応します。
つまみネジで、左側面のパネルや拡張カードの取り外し&固定ができるため、グラボの設置もカンタン。
なお、Thunderbolt 3ポートは、最大85Wの電源供給が可能です。
Sonnet GPU-750WEX-TB3
入出力 | Thunderbolt 3 |
内部電源 | 750W |
サイズ | 185mm×340mm×202mm |
重量 | 3.2kg |
対応OS | Windows 10/11 macOS10.13.6 |
グラフィックボードには、最大375Wまでの電力供給が可能。
また、最大100WのPowerDeliveryに対応するため、ハイエンドノートPCの充電にも活躍します。
内部電源は、750W。2つの8ピン(6+2ピン)補助電源コネクタを搭載するため、オーバークロック製品など、消費電力が高めのグラフィックボードもサポートします。
SPARKLE TBX-240FU
入出力 | Thunderbolt 3 |
グラフィックボードへの電力供給 | 最大150W |
サイズ | 68mm×215mm×153mm |
重量 | 860g |
対応OS | Windows 10以降 ・macOS 10.13.4以降 |
WindowsとmacOSに対応で、本体サイズが68×215×153mmのコンパクト設計のため、省スペースで設置できることが特徴。
2つのUSB 3.0ポートでマウスやキーボードを接続することが可能で、ネットワーク接続用として、1000BASE-T対応イーサネットポートが搭載されています。
Minisforum DEG1
入出力 | Oculink 4i |
グラフィックボードへの電力供給 | なし |
サイズ | 270mm×175mm×41mm |
重量 | 900g |
対応OS | - |
BOXタイプではなく、シンプルにGPUを外付けするドッキングステーションです。
別途電源ユニットを必要とするなど、やや玄人向け。ホコリ対策も求められますが、さまざまなグラフィックボードを手軽に拡張できます。
GPU搭載のおすすめ外付けGPU BOX(eGPU)
GPU BOX本体だけでなく、グラフィックボードが付属したモデルを紹介します。
VETESA NZ9G-1
搭載GPU | Radeon RX 7600M XT |
入出力 | Thunderbolt 3/4、OCulink、USB 3.2 RJ45、HDMI×2、DP×2 |
内部電源 | 230W |
サイズ | 約238×111×40mm |
対応OS | Windows 10/11 |
RX 7600M XTを内蔵し、同じモバイル版のRTX 4060に迫る性能を実現します。
小型デザインなので、カバンに入れてもかさばりにくいのが魅力。Thunderboltのほか、OCulinkによる最大64GT/sの高速通信が可能です。
GV-N4090IXEB-24GD
搭載GPU | GIGABYTE WATERFORCE RTX 4090 |
入出力 | Thunderbolt 3、イーサネットポート USB 3.2×3、DP×3、HDMI |
内部電源 | 850W |
サイズ | 189×302×172mm |
対応OS | Windows 10/11 64-bit |
現時点で、最新のRTX 40シリーズで、ハイエンドクラスのRTX 4090を搭載します。
オールインワン水冷システムの採用で、高温になるGPUを強力に冷却し、発熱による性能低下を抑えることが特徴です。
強烈なスペックを持つグラボのため、ゲームでもクリエイティブ作業でも、現状で最高クラスのパフォーマンスを実現します。
GPD G1
搭載GPU | AMD Radeon RX 7600M XT |
入出力 | OCulinkポート、USB4、USB 3.2×3、カードリーダー、HDMI、DP×2 |
内部電源 | 240W |
サイズ | 約225mm×111mm×30mm |
対応OS | Intel Mac非対応 |
世界最小クラスを謳ったポータブルeGPUです。
内蔵GPUは、GDDR6 8GBメモリを搭載した「RX 7600M XT」で、GeForce RTX 3070に迫るパフォーマンスを誇ります。
接続はOCulinkのほか、USB4、Thunderbolt 3/4に対応。複数のUSBポートやカードリーダーを備えるため、あらゆる場面で作業効率を爆上げできます。
ROG XG Mobile GC33Y
搭載GPU | Geforce RTX 4090 Laptop GPU |
入出力 | HDMI、DP、USB3.2 Type-C、 USB3.2 Type-A×3、カードリーダー |
内部電源 | 330W |
サイズ | 約217mm×165mm×32.6mm |
対応デバイス | ROG Flow X13(GV301/GV302)など |
専用ケーブルで接続するため、ROGブランドの対応ノートPC向けになりますが、モバイル版では非常に強力なRTX 4090 Laptop GPUを内蔵します。
ベイパーチャンバーの採用で、効率的な冷却を行うため、長時間使用しても冷却性を維持できることが特徴です。
TBX-240FU+RTX3050
搭載GPU | NVIDIA GeForce RTX 3050 |
入出力 | Thunderbolt 3、DP×3、HDMI、USB 3.2×2、ギガビットイーサネット |
電源 | 240W |
サイズ | 215×154.3×69.9mm |
対応OS | Windows 10以降 |
RTX 3000シリーズのエントリークラス「RTX 3050」を搭載したモデルであり、現在価格で約10万円の手頃さが魅力です。
コンパクトサイズながら、映像入力にHDMIと3つのDisplayPortを装備。さらに、ギガビットイーサネット、USB3.2ポートを備えた充実のスペックとなっています。
電源には240WのACアダプターを使用し、GPUへは150Wの電力供給が可能。高負荷な処理を行うにはやや力不足ですが、GPU無しに比べれば性能差は歴然です。
まとめ
外付けGPU BOXは、シーンに合わせてPCのグラフィックス性能を切り替えることや、ノートPCでもグラフィックボードを交換できることが特徴です。
1台のPCを仕事用とゲーム用に使い分けでき、例えば動画編集では移動中にカット作業を行い、自宅ではGPU BOXと接続して高速にエンコード処理することも可能。
コストはかかりますが、非常に高い利便性を実現できるので、興味のある方はぜひ一度チェックしてみてください。
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